大阪高等裁判所 昭和43年(ネ)1591号・昭46年(ネ)39号 判決
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〔判決理由〕四、被控訴人すみ江の損害について
(一) 休業補償を請求する主位的主張につき按ずるに、<証拠>によると、被控訴人義行の妻の被控訴人すみ江は、東洋産業株式会社に勤務していたが、本件事故による夫負傷のため、昭和四一年一一月二五日から約四ケ月間にわたり付添看護をしたこと、この間右勤務先を欠勤したこと、その間の得べかりし給料一ケ月金二五、〇〇〇円の四ケ月分金一〇〇、〇〇〇円を失つたことが認められるが、本件の場合において、付添看護をする者が、必ず妻でなければならない理由たる事実の証明がなく、そうすると、妻が付添看護をしてその勤務先を欠勤し、得べかりし給料が得られなかつたとしても、それは妻自身において生じた損害の域を出ず、夫たる被控訴人義行の負傷と相当の因果関係があるものとすることはできないから、右請求は理由がない。
(二) そこで付添看護費用を請求する予備的主張について按ずるに、前認定の被控訴人義行の受傷の部位、程度、入院期間、後遺症に、<証拠>を綜合すると、被控訴人義行は、本件事故当日の昭和四一年一一月二四日から入院中及び退院後自宅療養中も昭和四二年三月末頃まで、四ケ月間付添看護を要したこと、その間妻の被控訴人すみ江が付添看護したことが認められ、これを左右する証拠はなく、当時付添看護婦費用が一般に月額金二五、〇〇〇円相当を要することは争いがない。しかしながら、右看護費用も、被控訴人義行でなくて被控訴人すみ江が自ら負担したものとして、同被控訴人固有の損害として控訴人らに請求するについては、同被控訴人の債務負担が是非とも必要であつたとの事由即ち相当因果関係の認められるものがなく、単に自ら支出し又は負担したというだけの理由では、これを控訴人らに請求し得るものではないから、本件において、右看護費用相当額を被控訴人すみ江の損害として請求することは、その理由がない。
(宮川種一郎 林繁 平田浩)